日記/2026-05-25
雑記:「串カツ田中のチンチロリン」は本当に損?†
Twitterで流れてきたネタ話。
tweet
いつもの「消えたとき」備えで要約引用すると
串カツ田中のチンチロリンゲームはなぜやらない方がいい。
期待値を計算したら、1.167倍だった
つまり、客は平均的に通常価格の1.17倍を支払うことになる。
だから客側より店側の方が得をしやすい。ゲーム感覚で注文ハードルを下げつつ自然に客単価を上げる、秀逸なシステム。
で、ほんと?とざっくりルールを確認したら、どうも勘違いしてるっぽい。
別途他の方のコミュニティノートもついてましたが、以下友瀬視点での考察など。
そもそものルールはどういうものか†
『串カツ田中のチンチロリンゲーム』というのは、一部のお酒について注文するときにギャンブル的なことができるようになっているモノです。
そのルールの原本は「串カツ田中」のページを見てほしいですが(笑)
ともあれ要約すると、以下のような感じ。
- メニュー(お酒の種類)を決めたら、2d6をふる。
- ピンゾロなら、メガジョッキ(通常の2倍量)を無料提供となる。
- (上記以外の)ゾロ目は、通常サイズを無料提供となる。
- (上記以外の)偶数目は、通常サイズを半額提供となる。
- 奇数目は、メガジョッキを倍額提供となる。
- この項目日本語的に判りづらかったので確認してみたところ「メガジョッキを、通常ジョッキの2倍額で提供」らしい。
シンプルに考えて。†
このルール、大きく4つの結果が存在していますが。
ものすごくシンプルに考えると以下のようになります。
- ぞろ目は全部「偶数」なので。
偶数の場合、どのケースでも「無料」または「半額」なので、利用者側は得をする。 - 奇数の場合、確かに支払い量は「2杯分」なんですが。
提供される量もメガジョッキ==2杯分。
つまり「2杯分のお金を払って2杯飲む」わけですから、客側は何も損をしていない。
と、元投稿にある「客側より店側の方が得をしやすい」とはどうみても齟齬がある。
どういうことだ?
具体的に期待値計算してみる。†
出目と支払う金額を、表に整理してみた。
各セルに書いてある数字が「通常の金額を1とした場合の支払額」。
| 金額視点 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
| 1 | 0 | 2 | 0.5 | 2 | 0.5 | 2 |
| 2 | 2 | 0 | 2 | 0.5 | 2 | 0.5 |
| 3 | 0.5 | 2 | 0 | 2 | 0.5 | 2 |
| 4 | 2 | 0.5 | 2 | 0 | 2 | 0.5 |
| 5 | 0.5 | 2 | 0.5 | 2 | 0 | 2 |
| 6 | 2 | 0.5 | 2 | 0.5 | 2 | 0 |
で。この表の数値を全部足すと「42」になる。
サイコロ2d6 の組み合わせは36通りなので、1回当たりの期待値は42/36≒1.17。
これは元Tweetにも出ている値なので、たぶんこれが論拠ということだろう。
・・・これ、奇数時の「2倍量を2倍額で」を考慮にいれてないってことだよね。
上記表は「金額」しか見ていないので、量を考えていない。
というわけで、今度は量視点も踏まえて考えてみる。†
「通常ジョッキでの提供量を1」とした場合、出目に応じて「店が何杯分を提供する」かを表にしてみる。
| 量視点 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
| 1 | 2 | 2 | 1 | 2 | 1 | 2 |
| 2 | 2 | 1 | 2 | 1 | 2 | 1 |
| 3 | 1 | 2 | 1 | 2 | 1 | 2 |
| 4 | 2 | 1 | 2 | 1 | 2 | 1 |
| 5 | 1 | 2 | 1 | 2 | 1 | 2 |
| 6 | 2 | 1 | 2 | 1 | 2 | 1 |
表内全部足すと、55。
これを36で割った(55/36==)15が、「店が何杯分を提供する」かの期待値ということになる。
前述の金額を考慮すると、確率的に「42杯分の金額を払えば55杯飲める」という期待値なので。
客側からすると「1杯分の金額で(55/42==)1.3杯飲める」「1杯あたり0.76杯分の支払いですむ」という確率。
これは客側が得・店側が損なサービスといえます。
本当に客は「損」しないのか?†
一応、客側にも損をする・損と感じられるケースはいくつか思い当たります。
端的に言うと、奇数が出たときの「メガジョッキ」に、一応はリスクというか難点があるからです。
メガジョッキというのは言わば「2杯縛り」ともいえる仕組みなので、次のようなことは考えられるでしょう。
- ケース1:飲みきれない。
- 2杯分を飲みきれない==もともと1杯頼んでおけば十分だった場合。
「余計な1杯分」のお金を払うことになるので、これは「損」といえるでしょう。
- 2杯分を飲みきれない==もともと1杯頼んでおけば十分だった場合。
- ケース2:同じお酒に固定される。
- メガジョッキは「お酒1種類」に限定されるので。
いろんな種類の味を飲みたい、というケースではデメリットになります。 - これには前述の「飲みきれない」要素も絡むでしょう。
酒量的に2杯しか飲めない人にとっては、メガジョッキは「金・量」的にはともかく「味」の視点で損。
- メガジョッキは「お酒1種類」に限定されるので。
ケース1とケース2は、やや矛盾気味なのも面白いところ。
単純な金額だけで見るなら、「最初の1杯目」はサイコロ振ったほうがいい。
なぜなら(ここでサイコロ振ろうかと迷える人は)2杯くらいは飲めるだろうから。
だけどそういうお酒に強い人だって、飲み続けていれば舌も鈍る。
この視点でいえば、味を楽しめる最初の1,2杯ではサイコロを振りたくないし。
逆にじゃあ3杯、4杯となってくるとそこで「倍ジョッキ」はさすがに苦しい人も増えてくるはず。
ともあれ、このあたりが気にならないのであれば、お得に飲めるといえるんじゃないでしょうか。
もう一つの「お店の視点」。†
上記いくつか「損をする」ケースは上げましたけど。
「飲みきれない」「味を楽しめない」なんてのはある意味お客様の都合。
店からすれば「確率的には損をする」メニューを何で出してるのか?という話は疑問に思いませんか?
あくまで友瀬的考えですが、これ、飲み放題の別バリエーションなのかな、と。
この店、飲み放題サービスも提供しています。
これを書いている2026/5月時点で「2時間・1780円」。
で、このお店のメニューをざっくり見ると、1杯だいたい450円くらい、高くても500円くらい。
つまり「4杯以上飲むなら飲み放題のほうがお得」くらいのバランスになっています。
もちろんそれよりも少なく飲む人にとっては「損」なケースもあるんですが・・・
わざわざ飲み放題頼むくらいだから、これはペイされる可能性が高いんです。
じゃあ店としてはなんで飲み放題なんていうサービスを提供しているかというと。
「安い」という客寄せ視点と、「料理で稼ぐチャンス」という売り上げ視点じゃないかと。
たくさん飲めば、たくさん食べてくれる。そんな視点。
で、最初のサイコロの話に戻すと・・・
これ、たぶんですけど、やっぱり「安い」という客寄せ視点と「料理で稼ぐチャンス」のためだと思うんですよね。
飲み放題を使わないレベルの人を対象にして。
もともと2杯飲む人が、2杯飲むならなにも変わらないですが。
例えば「1.5杯飲むポテンシャルがある人が、普段1杯で止めている」ケースではどうでしょう?
利用者がこのサイコロに乗ってくれれば1杯の金額で1.3杯提供するので「お酒視点では3回==3杯分チャレンジすると1杯分(450円)の売上損」となりますが。
この1杯の分余計に料理が出れば、ペイできる。
単純に「1杯1品」注文されるなら、料理1品で500円売り上げられるなら損しないわけです。
とまあ最後の「店視点」は友瀬の偏見もあるかもしれませんが・・・まあ、そんな感じ。
ご意見などがあれば。

