というわけで、第3回で実施したカテゴライズに基づいて。
以下、その内容ごとに。
カテゴリA : 相手に与えるダメージ増加†
『得点のあるページにあるときに使用。その得点に+2』というような類。
Tactics/Luck それぞれにそれなりに枚数がある、多いタイプのカード。
多少の例外的ばらつきはあるにせよ、おおよそ以下のように考えるとよさそう。
- Luck カードにおいては、『コスト-1』が追加ダメージ量。
- 例えば『得点+2』のカードは、コスト3程度。
- 使用可能トリガーが特定ページに固定されている場合、コストが1お得。
つまり実質『コスト==追加ダメージ』に。
- 使用可能トリガーが防御ページ==マイナス得点の場合、コストが2つお得。
- とはいえ言い換えると、コスト3を支払って『防御ページをスコア0に』するのがやっと。
- Tactics カードについては、上記Luckよりもさらに1点、コスト割高。
ちなみに上記の分析だと、ファンタジーカードにおける『得点2倍』というのは、おおよそ『ダメージ+5』くらいの価値といえそう。
カテゴリB ::相手に強制ダメージ†
ダメージを増やすという観点で、カテゴリAに近い。
・・・分析はしましたが、『1種しかない』うえに、それが『バランスが悪そう』なので、正直これを基準にするのは微妙に見えます。
LWシステム上、単に「増加」するのと「自動命中」とでは、意味がだいぶ違うので。
- 『かわし成功時、相手に2ダメージを与える』のコストが3。
- カテゴリAのバランスをみると、かなり有利に見える。以下、理由。
- Tactics、トリガーが特定ページ、コスト3で2点ダメージという条件は、前述カテゴリAと比べるとほぼ等価。
すなわち、次以降にあげる点==メリット分、そっくりプラスといえる。
- そもそも「かわし」は成功==回避はできても、普通得点ページは開けない。
しかしこのカードは、その状態から強引に得点を取ることができる。
いわば『引き分けを勝ちにできる』カードであり、かなり強いといえる。
- 「かわし」は普通、修正値は大きなマイナス値になっている。
一部の突きなどに対して『背後を取る』ことができたとしても、ダメージを生むことはできないのが普通。
このカードはその状態から2ダメージを得られる==実質的に『修正値+5以上』がもたらされているも同じ。
コスト3のカードとしては、破格と言わざるを得ない。
- 参考:『背後ページを見ているとき得点+2』のTacticsカードがある:これもコスト3。
しかしこれを使っても、「かわし」の元修正値の低さから、得点を得ることは無理。
一応『ワイルドスイング(40)vsダウンスイング(24)』などではこれのほうが強いが・・・
カテゴリC : 自分の被ダメージ減少†
『得点されたときに使用。その得点を2 減少』というような類。
基本的に Luck にしかないカード。
- 全体的な傾向として:
追加ダメージを生むカテゴリAの裏とも言えるカテゴリだが、コスト面では優遇されている傾向あり。
- 『いつでも使った分の効果が保証される』追加ダメージ系と比べれば、
『マイナスにめり込むと無駄』でタイミングを選ばざるを得ないカテゴリゆえに、妥当ではあるか。
- このあたり、M:tG の Lightningbolt と Healing Salve の差を思い出す。
- 無条件に点数を減らすことのできるカードでは、『コスト-1』が減少量。
- これは、追加ダメージを生むカテゴリAに近いバランスと言える。
- コスト3、今回の行動の修正値やボーナスを無視==事実上そのページに書かれているスコアだけをダメージにするものがある。
- コストバランス的には、2点減らすことができれば妥当なライン。
多くのキャラにおいて行動修正値は-2〜+2 に分布しているので、それなりに妥当。
- ただし実際には、『Jump系行動の後のボーナス無効』『昨今のキャラに多い大火力行動』など、もっと効果的になるケースも多い。
- コスト3、刃物からのダメージを無効化。
- 事実上、命中1回を無効化できるので、非常に強力。
ただし相手の武器次第なので、敵を選ぶのが難点。
- 剣を使っているキャラでも、それを使わない攻撃も少なからずあるので、過信は禁物ではある。
カテゴリD : 相手への行動制限強化†
相手に対する行動制限を与えるタイプ。
基本的にはTactics用。
- コストは2〜4。
- 論理的にはいろんな発生原因に適用できるが、現存しているカードはすべて
『使用者がxxページを開かれている』ときに使用できるもの。
別の言い方をすると、特定の行動を強化して相手に悪影響を与えるもの。
- 例えば「39ページを開かれていると、相手は武器を落とす」。
これは一般的な「50:突撃」の行動を「50:突撃しつつ武器を叩き落す」に変えるようなもの、と言える。
- 基本的には、「開かれづらいページほど、低コスト」。
ただし効果面では、あまりバランスが取れているようには見えない。
- 「かわしページならばxxx」は、コスト4。
「かわし」は距離を選ばず、かつ不利な状態からでも実施できるため、高コストなのは道理が通る。
- 「1ページ(近距離)ならばxxx」はコスト2、「39ページならばxxx」はコスト3。
どちらも距離限定、失敗時のリスクが大きいなどの欠点があるので、その分割高か。
- ただし、突撃のほうは効果が強すぎる。
得点成功しなくてもよいので、突撃時50%の確率で武器落下させることになる:あまりにひどい。
カテゴリE : 自分の行動制限緩和†
『通常の行動制限を無視して、xxの行動を実施してよい』というような類。
基本的に Tactics にしかないカード。
- 基本的なコストは2。
- 傾向としては、カテゴリDに似ている。
緩和される条件:元ページの厳しさと、選択できる幅によって、多少の増減があるように見える。
ただ、きれいに分類できるかといわれると、難しそう。
- 例えば:『19ページの行動制限を無視、ただしオレンジに-1』と『赤を禁止されているとき、赤を-2して使用してよい』とが、同じコスト2。
- 単純な緩和量だけなら、「19ページ無効化」のほうがあきらかに強い。
だが後者は、どんな行動制限状態においても使用できるので、例えば7ページ:緑のみなどというケースでも使えるのが強い。
その意味では、「19ページの無効化」はページを特定されている分効果も強い、と言えるか。
- ただし同じような意味で『背後を取られている23ページで、スイング許可』のカードはコスト3。
得られる行動にしても使用条件としても、かなり見劣りするといわざるを得ない。
カテゴリF : 参照本のページ強制移動†
ドワーフ/QBユーミルの足ひっかけのような、
『xxページをみているなら、yyページへ』の類。
「偶然相手がバランスをくずした」的なLuckもあるが、基本的にはTactics用。
カード枚数があまりなく、きれいな分類はしづらい。
- コスト1〜3の範囲。
基本的には、もともと開いていた結果ページの状態・条件に起因しているように見える。
- 有利な条件で使えるカードは安く、互角の条件で使えるカードは高価。
- 一方的不利な状況で使えるカードはないのが、特徴的。
- Parryページ→41ページ==受け流したときに相手を強制的に転倒させるカードは、コスト3。
- Parryは普通、お互いにParryページを開いているので『引き分け』で、ダメージも入らない。
すなわち:このカードは1枚で『ドロー』の状態から『「ダメージ」「行動制限」の両方で有利』という、大きな変更をしている。
- ただし第一世代vs第二世代では、Parryページを見ている状況が『実は不利』なケースがある。
この場合このカードは、理不尽な第一世代不利状態をやや不利気味の相打ちに持ち込むために使えることになる。
- 21ページ→27ページ==相手の背後をとったとき、強制的に武器落とし。これがコスト2。
- 21ページは『相手の背後をとった有利な状況』だが、そこに行く条件が厳しく普通得点にならない:行動制限面で有利な状況と言える。
27ページも似たような状況だが、武器落下は厳しい行動制限と考えることができる。
- すなわち:このカードは1枚で『行動有利』の状態から『さらに行動有利』。
1つ目の例に比べると、『一応じゃんけん勝ち』状態からなので、コストも安いと見るべきか。
- ただし:武器落下はキャラによっては致命的な結果。正直強すぎるようには思う。
- 31ページ→53ページ==腕命中を同命中に変える。これがコスト1。
- 31ページを開いている時点で攻撃に成功している。その成功程度を強化するカードといえる。
特記事項として:カテゴリAのダメージ追加系に比べると、コスト面でお得な傾向がある。
例えば『31ページ→53ページ』カード。
相手の装備次第ではあるが、これらのページには普通2点程度の差がある。もちろん53ページのほうが痛い。
つまりこのカードは『コスト1でダメージ+2』であるとも言え、カテゴリAの基準から考えると、かなり大きい。
他のカードにおいても、似たようなものと言えるだろう。
さらに普通、31ページより53ページのほうが厳しい行動制限をもたらす。
ダメージ面でしか貢献できないカテゴリAよりも、こちらよりも強いと言えるわけだ。
カテゴリG : 相手参照本の強制ページ移動†
事実上、自キャラ本の特定行動の結果ページを変えてしまうもの。
例えば短剣戦士/QBイルマの『盾に短剣がささる結果のとき、相手が盾を持っていないなら59ページへ』みたいなもの:
特定条件において、有利な結果を導き出せる。
実はこのタイプも1種類しかない。
- 『かがむ成功時(29ページを開かれているとき)、23ページ(見失う)を開かせる』のコストが2。
- テキスト内容上、これを使えるのは『身をかがめる』を実施し、その読みがあたって回避できたとき。
カテゴリEに対比させるならば、『ダメージは与えられないが一応じゃんけん勝ち』というとき『状況・体勢だけはより有利に』というタイプ。
- その意味で、カテゴリEの『相手の背後をとったとき、強制的に武器落とし』と比較して、よく似たバランスと言える。
コストも2と同じで、悪くない。
ご意見などがあれば。
『お互いになんとなく不信感』なんていうのは、おかしいでしょ。
なにしろ以前、出版業界は自炊業者に対して
『お前のやってることは犯罪行為だ。』
と告発しているわけで。
自炊業者から見れば、なんとなくじゃない。はっきりとした不信があるよ。
この状況でいまさら『出てこい』なんて言われても、無理でしょ。
まずはその部分の払拭からはじめないと。
ご意見などがあれば。
多少乱暴なことは目をつぶってもらうことを前提にして。
LWシステムにおける『結果』-- 成果にしろ被害にしろ--には、大きく2つの要素が含まれます。
- ダメージ。
- 行動制限。
Tactics/Luck の基本的な振る舞いは、これらの条件を『書き換える』ものです。
『今回の得点に+2する』『次ターン相手に緑か黄を強制する』などなど。
これらには当然対象の情報が必要です。
『あなたの』ダメージを減らす。『相手の』行動を制限する。
これらを組み合わせると、Tactics/Luckのような『結果を書き換える』タイプのカードには、
以下の4パターンがありえることがわかると思います。
- あなたのダメージを減らす
- あなたの行動制限を緩和する
- 相手のダメージを増やす
- 相手の行動制限を厳しくする
もちろん他にもいくつかのパターンは考えられます:
- 1枚で上記の複数の要件に関わるタイプ。
- 例えば:「あなた」と「相手」の両方に影響を与えるタイプ。「あなたのダメージを減らしつつ、相手の行動を制限する」など。
- 別の例では:「ダメージと行動制限」の両方に影響を与える。「ダメージに+2して、次は緑と黄のみ」のような。
- デメリットをもたらすタイプ。
- あなたにxダメージを与える、というようなもの。
- 単体では普通意味がないが、「ペナルティがある分、主効果も大きい」なんていうのは思いつきます。
以上の前置きを前提に。
Tactics/Luck カードを分析・カテゴライズすると、おおむね以下の7種類に分けられます。
カテゴリA | 相手に与えるダメージ増加 |
カテゴリB | 相手に強制ダメージ |
カテゴリC | 自分の被ダメージ減少 |
カテゴリD | 相手への行動制限強化 |
カテゴリE | 自分の行動制限緩和 |
カテゴリF | 参照本のページ強制移動(相手の状況を不利に) |
カテゴリG | 相手参照本のページ強制移動(自分の状況を有利に) |
- カテゴリA〜Cは、得点の増減だけが発生する。
- カテゴリD およびカテゴリFは、相手が受けた結果を不利に修正。
- カテゴリE およびカテゴリGは、自分が受けた結果を有利に修正。
- D〜Gは、直交する2要件からなる点に注意。
観点は『自分/相手のどちらが影響をうけるか』『本のページ移動を伴うか否か』。
- 例えば:DおよびEはページ移動を伴わず、FおよびGはページ移動を伴う。
具体的には例えば:『相手の足を引っかけ転倒させる(41ページを開く)』はカテゴリF、『相手を動揺させて緑と黄に制限(ページ移動はなし)』はカテゴリD。
- ページ移動が発生しないカテゴリD,Eは、ダメージ面には何も影響しない。
- ページ移動が発生すると、結果的に得点の増減も発生しうることに注意。
つまりカテゴリFはカテゴリA的な『相手へのダメージ増加』やカテゴリB的『強制ダメージ』を内包することがある。
- 論理的には、カテゴリGにはカテゴリC的な『ダメージ減少』の可能性があるが、現時点でのTactics/Luckにはそのタイプのものはない。
「ページ移動がおきる」タイプが、前置きでの「ダメージと制限の両方に影響」のタイプに合致するというのが、分析上の面白い点ではないでしょうか。
論理的には、カードであっても「両方に影響」はできるのですが、
カードでは物理的な面積の問題で、長い指示は書きづらい。
その結果、そういう「両方に影響」するようなタイプは、ページ移動で処理してしまっているのかな、という気がします。
ご意見などがあれば。