まずは、カードのテキストを引用します。
コスト (4)(白)(白)
2個のd6を振り、出目1つを選ぶ。パワーがその出目以上であるすべてのクリーチャーを破壊する。その後、もう1つの出目に等しい数の、警戒を持つ白の2/2の騎士(Knight)クリーチャー・トークンを生成する。
サイコロを2個振って、片方を基準に「一定以上のサイズの生物を破壊」。
残ったもう一方を基準に「自分陣営の生物を追加」。
つまり運に依存するものの「場を一掃して、そのあと自分のコマを増やす」ことを狙うような呪文です。
基本的には「より小さい目を、除去用」「より大きい目を自分のトークン用」に選ぶことになるでしょう。
さてこの場合、どれくらいの効果が効果が期待できるか、ということになります。
サイコロ2個を振り、より大きな側の目をとるときの組み合わせについては、以前にMagicRealm検討した際に
調べたことがあります。
次のような感じでした。
出目 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
1 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
2 | 2 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
3 | 3 | 3 | 3 | 4 | 5 | 6 |
4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 5 | 6 |
5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 6 |
6 | 6 | 6 | 6 | 6 | 6 | 6 |
この表の数値を全部足して組み合わせ数36で割れば、「より大きな目を選ぶ」基準での期待値になります。
というわけで、計算すると「161/36 == 4.47」くらいでした。
逆に、「より小さな目を選ぶ」基準で表を作り直すと、次のようになります。
同様に期待値計算すると「61/36==2.52」くらいです。
出目 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 |
2 | 1 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 |
3 | 1 | 2 | 3 | 3 | 3 | 3 |
4 | 1 | 2 | 3 | 4 | 4 | 4 |
5 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 5 |
6 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
つまり、この呪文の期待値的な動作は、次のようなかたちになります。
- まず、戦場にいる「パワー3以上のクリーチャーを一掃」
- その後、自軍に「2/2クリーチャーを4体召喚」
「相手のパワー2以下のクリーチャーを除去できない」ことになりますが、自分が小型クリーチャーばかり使っているならば相手だけを除去できることになりますし。
まったく除去できなかったとしても、自軍のクリーチャーは増やせるので悪くないわけです。
ちなみに、サイコロが極端に偏った場合のケースを以下列挙。
- サイコロが「1,1」だった場合。
戦場のクリーチャーは(パワーゼロでないかぎり)一掃。その後に自軍に2/2クリーチャーが1体出現。
- 召喚呪文としては最悪レベルですが、「神の怒り/Wrath of God」を撃った後に2マナで2/2クリーチャーを出した、と思えばまあそこそこか。
- サイコロが「6,6」だった場合。
パワー6以上という超大型クラスのみ除去し、そのあと自軍に2/2クリーチャーを6体召喚。
- 相手のフィニッシャークラスを除去したうえで自軍に大量援軍なので悪くない。
ただし、相手が大型クリーチャーを出していなければ除去としては微妙になりそう。
- サイコロが「1,6」の場合。
- 基本的には「クリーチャー一掃後、自軍に2/2クリーチャー6体」という使い方でしょうか。
逆のやりかたをするには、自軍が相応に数を並べていないと割に合わないかも。
こう考えると、リスクはあるので自分の運を信じられるなら、という感じでしょうか。
一度上記のように書いたのですが、この場合期待値だけでなくて偏差も必要な気がしたので、情報追加。
- より大きな値を期待するケースで、一定の値以上がでる確率は次のようになります。
値 | 確率 |
6 | 30.6 |
5以上 | 55.6 |
4以上 | 75.0 |
3以上 | 88.9 |
2以上 | 97.2 |
1以上 | 100.0 |
- 期待値4.5くらいですが、5以上になる確率は50%を超えています。
- より小さな値を期待するケースで、一定の値以下がでる確率は次のようになります。
値 | 確率 |
1 | 30.6 |
2以下 | 55.6 |
3以下 | 75.0 |
4以下 | 88.9 |
5以下 | 97.2 |
6以下 | 100.0 |
- 期待値2.5くらいですが、2以下になる確率は50%を超えています。
という感じで、実際には期待値よりもよい結果になる確率のほうが高いかたちに偏るので、完全な運任せよりはよさそうです。
ちなみにこのカードセットには、「勇敢な挑戦/Valiant Endeavor」のように「サイコロ2つ振って、2つの効果それぞれに割り当てる」呪文が他にも4つあります。
そちらも気が向いたら分析検討してみます(笑)
- 勇敢な挑戦/Valiant Endeavor(白、d6)
- 秘儀の挑戦/Arcane Endeavor(青、d8)
- 悲惨な挑戦/Grave Endeavor(黒、d10)
- 無謀な挑戦/Reckless Endeavor(赤、d12)
- 突飛な挑戦/Wild Endeavor(緑、d4)
ご意見などがあれば。
年に2,3枠の新たなカードセットを出し続けているM:tGですが、
最近のセットで老舗とも言えるRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)」の世界観を用いたカードセットが作られました。
M:tG開発元の Wizards Corst社がD&Dの版権を持っているので、社内コラボのような感じですね。
コラボとしては、あくまでM:tGというカードゲームにおいて、「D&Dでの世界観」に存在する生物や呪文、出来事などをカード化したようなかたち。
例えば「ビホルダー」「ブリンクドッグ」「ラストモンスター」と言ったモンスター。
例えば大魔導士「モルデンカイネン」のプレインズウォーカーカード。
「バーニングハンズ」「マジックミサイル」などの有名呪文。
「モンク」「バーバリアン」といった職業を自分に適用するような魔術。
「保有の鞄(バッグオブホールディング)」「デック・オヴ・メニー・シングズ」といったマジックアイテム、などなど。
M:tG知らない人にとってはただの新カードでしかないでしょうが、D&Dを知っている身からするとやっぱりわくわくします。
とはいえ、やはりシステムの違いなどから、名前だけ借りてきて内容が「それっぽくない」レベルになってしまっているモノがあるのは否めないですね。
例えば典型的なのが「ラストモンスター」。
これ、「金属を錆に変えてしまってそれを食べる生き物」で、
D&Dというゲームの中ではその特性上、金属製の武器・防具を用いる戦士系の職業には忌み嫌われますが、
それを使わない職業にはまったく脅威にならない(いわゆるダメージ源にもならないので怖くない)。
でもこれのM:tG版では「味方のアーティファクトを食べて一時的にパワーが上がる」、爆発的な攻撃用クリーチャーになっています。
相手の武器を食べることはできないし、ダメージも強烈、どう見てもD&D版とは別の生き物です。
それでもまあ、面白い感じですね。
やっぱり、きちんと版権を持っているといろいろできてうらやましいなぁ(笑)
友瀬は以前から「LW vs M:tG」と評していろいろ遊んでますけど、あくまでお遊びの範疇ですしねぇ。
ご意見などがあれば。
特攻ドローンが「完全自律」で人を爆殺した可能性があると国連が報告
https://gigazine.net/news/20210531-killer-drone-human-target/?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter
これまでにも何度か話題にしている、ドローンによる攻撃の話。
今までにも「有人操作による攻撃」は何度が話題にしたけれど、今回のは自律式。
AIを使って顔認識し、狙った相手に確実に突っ込むということをやったらしい。
これが本当なら、いよいよもって怖い世界になってくる。それこそ「ターゲットが見えない」場所から暗殺をできるようになるのだから。
「大量破壊兵器と肩を並べつつあるドローンに全力で警戒するべき」という主張
https://gigazine.net/news/20210612-protect-against-weaponized-drones/
1つ1つのドローンは小さくとも、数を使えれば十分な攻撃力になるので、十分な破壊兵器になる、という話。
ある意味で、1つ前の「完全自律攻撃機」の記事の続きともいえる:記事内にある「ドローンの編隊でQRコードを描く」という操作。
これを1機1機人間が捜査しているわけがなく、なんらかのメカニズムをもってコンピュータ制御しているわけだ。か
こういう組織だった飛行をできる「爆弾」が、一斉に国会を襲ったらどうなる?わりと怖い未来が見えると思う。
オリンピック開会式に1824機のドローンが東京の空を舞う
https://www.drone.jp/news/2021072611303947315.html
1つ前の記事にもあった「ドローンでQRコードを描く」という話にも関連。
先日実施されたオリンピックの開会式で、空中にシンボルを描くのに使われたとか。
こういう平和利用だけなら、幸せだと思うよ。
ご意見などがあれば。